なぜ私はアートに関心をもったか
小学6年生の時、
絵で人を喜ばせる事を知った。
市の企画に「社会を明るくする運動」というのがあって、
絵を描いて入選した。
表彰式に父と行く。
普段無口で、会話の苦手な父が、
表彰式に行ってくれたのは
思いもよらない事だった。
父はとても喜んでくれていた。
今、思うと、
父に喜んでもらえた事が嬉しくて、
もっと喜んでもらいたい思ったのが、
アートに興味を持った理由に
なっているのかもしれないと思う。
![](http://tanracoon2.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2019/04/IMG_0119 イマジンの碑Imagine-Medallion.jpg)
その父は、私が19歳の時に、
胃がんを患って他界した。
病室で付き添っている時、
父の顔を見ていて泣いた。
思わず父の手に触れると、
寝ていたはずの父が、
「明美、泣かんでもいい。」といって、
手をぎゅっとして返した。
もう、随分昔のことなので、
ずっと、ずっと、忘れていたことなのに、
今回の企画をするにあたって、
なぜ私がアートに関心を持ったかを、
自分なりに振り返ってみたら、
私は、父への思いが、
心の深いところにあったんだと気がついた。
ただ、なんとなく好きで、
周りにアートする人がいることが、
アートへの関わりのきっかけになっていると
思いこんでいたのだけれど、
口下手で、感情の表現が出来ない無骨な父を
表彰式の場へ運んでくれた絵の力の凄さを
忘れていなかったのだと思う。
こうして振り返ってみると、
気持ちを込めるものには、
人の心を動かすことが出来る「力」があることを、
この時、父に教えてもらっていたことになる。
私は、
アーティスト達のように、
描いて感動を伝えることは出来ないが、
他の人々の為に、
何か出来ることはないかを思い描く。
それを伝えて行きたいと思っている。
New York Art Wave Project&デザART協賛企画
https://www.nyartwave.com/summer-exhibition-ny