はなぶくろ
人の噂も七十五日(ひとのうわさもしちじゅうごにち) と言いますが、
被災地のニュース報道も少なくなってきていることなどを思うと、
どんなことも結局は当事者だけの問題になってしまうことに気づかされます。
報道の制限がかかっているとは思えないのですが、どうしてなのでしょうね。
熊本支援について、
デザートで出来ることは何だろう?
寄付や現地でのボランティア以外で支援出来ることはないか?
そこで、デザートは、被災者の再出発の為の支援をすることに決めました。
被災地の方の気持ちは、被災された方にしかわかりませんが、
デザートでも、何か出来ることは無いかを考えてきました。
被災された方の気持ちになって。
欲しいものは何か?
必要なものは何か?
嬉しいことは何か?
物資も募金も多くの支援が行き届くとして、
それ以外に支援できるものは何だろう?
頭をよぎったのは、
地震が落ち着いたら始まる、各家庭、各人の
使えなくなったものの処分についてです。
被災された人々は、
これから捨てたくないものを処分するという
とても理不尽な作業と直面します。
すでに終わってしまっているところもありますが、
まだまだ家に戻れない方達も大勢います。
その作業は、
悲しい、悔しい、残念な思いと
一緒に思いでの品々をゴミ袋に入れて捨てるというもの。
自分の思い出の品々をゴミ袋に捨てることは、
きっととても悲しいことに違いありません。
思い出をゴミ袋に入れる事が、
被災した悲しみを増長するということは無いのかしら?
それなら、入れる事が安らぎになるような袋を作ればいい!
デザートは、【アーティストの描く花をプリントした袋を手放し袋=はなぶくろ】として作り、少しでも心穏やかな手放しのお手伝いをさせていただこうと思います。
【はなぶくろ】もゴミ袋には変わりありませんが、
きれいで、プリティで、美しいと感じる袋なら、
一瞬でも、辛いという気持ちを弾き飛ばす事が出来ます!
その一瞬が、とても大事な瞬間になると思うのです。
幸いなことに、アートにはそういう力があります。
アートの力で、被災者の傷ついた心により添い、物との別れ、手放しを促し、新しい生活の始まりを応援することが出来る。これは、アーティストにしか出来ない事で、アーティストだからこそ出来ること!
被災者様の誰にも向けられない理不尽な思いや、怒り、辛さ、不安、そして手放さなければならない思いと思い出の品々を、【はなぶくろ】に入れることで、捨てるという行為で深まる辛さを減らす事が出来ると考えています。
(次へ続きます。)